Koy's blog

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2014年10月22日水曜日

今になってLAという街の本当の魅力に気が付いた、という超個人的なLA論。。

何しろボクは単純だ。単細胞だ。

あれほど、砂漠の上に人口で作ったプラスティックな街とLAを小馬鹿にしてたくせに、そのLAから強烈なインスピレーションをもらって帰って来たのだから。
メルローズのロンハーマンの二階の外の階段の上

いや、この言い方は語弊がある。LAを愛してる人達に失礼だ。

もともと、80年代に10代を過ごしたボクは、ブルータスとポパイが巻き起こした空前の「西海岸」ブームに素直に従って、盲目的にカルフォルニアのカルチャアに憧れていた。
ポパイ創刊号
1939年創業の小宮山書店さんのブログより
高校生の時、いつか必ず訪れたい世界の街トップ3に入っていたのがLAに他ならない。

もう二つはNYと香港だった。
ビリージョエルとカンフー映画が好きだった。

日本の遥か東側にある大陸の沿岸を「西海岸」と日本語で呼ぶのに当時も今も全く違和感を感じないのは、その時の名残に違いない。

杏里は「窓を開ければサンタモニカの海」と歌い、桜田淳子までもが「来て来てサンタモニカ」と歌い、そしてイーグルスはこの街が幻想と矛盾に満ちていることを歌っていた。
言わずと知れた名盤

それでもカルフォルニアのLAという街はボクの憧れの街であり続けていた。

それが、出張での東京<->LAを繰り返すうちに、車がないと不便極まりない平坦な街、というような印象に変貌してしまっていたのだ。

東京やNYは「歩ける」ので、一時的な旅行者でもその街の空気を肌で感じながら、街の一員として溶け込む事が出来る。

LAは、自ら車のハンドルを握り、目的地に寄り道なぞせずに一直線に向かうという感じで、移動手段を持たない部外者はいつまでも部外者な所が冷たいと感じていたのだ。
法定速度は一応の目安でしかない。でもマナーは一流。

今回の旅でも、相変わらずLAはLAだった。
変わったのは、ボク自身に他ならない。

そもそも開拓時代から長い歴史を持つこの街で、車しか移動手段が無い(この際、危険な感じプンプンなメトロのバスと地下鉄は無視します)のは、主体的に目的を持って行動する、というアメリカ人の個人主義を象徴してる気がしてなりません。


自分から能動的に動かなければ何も始まらないのがLAなんだと気付いたのです。
街を目的無しにプラプラ歩いて、何か発見する、などと言った情緒的なメンタリティは全く不似合いな街がLAなんです。

自分が降りない駅でも電車が止まる生活と、ドアツードアで一直線に目的地に着く生活の違いが想像出来ると思う。

やっとこさ開通した地下鉄に対し、この街の住人の愛情が無いのも理解出来る。

自分の行動を自分でコントロールし、今日はここで海に入って、その後ここでビジネスランチを取って、どこぞで人と会って、とっととフリーウェイに乗っかり家に帰る。
夕暮れ帰宅のラッシュ

いつもの駅でJRから日比谷線の乗り換え途中で、ついつい一杯飲んで行こう、みたいな流されるライフスタイルとはほど遠いのがLAだ。

ここでは流されていては、どこにも辿り着く事は出来ない。

そんな、主体性を持ち、目的意識の高い人間に取っては、LAは最高の環境を与えてくれる。
ビジネスオポチュニティ、海のある生活、一年中穏やかで雨の降らない気候。
意識を高くして、自分がどこに向かっているのか理解していれば、必ず刺激的なイベントや人間と交流出来る街。

今回の旅でも、自分でビジネスを始めた女性経営者とミーティングを持ったのですが、彼女はマイアミからLAを訪れていた。

彼女達のように、その街に引き寄せられて来る強烈な個人としての目的意識を持った集団がこの街をエキサイティングにしている。

そしてそのパワーはさらに人を呼び込む。
そういったエネルギーを持った人間がさらにこの街にパワーを還元して行くという循環が起こっているのだ。

それが、街の魅力となって、世界に唯一無比のロサンジェルスを形成しているのだと気付いた。
きっとこれは西部開拓時代からきっと変わらないのだろうと確信した。

もちろん、マテリアリスティックな意味での野心や成功、という意味ではなくて、自分の人生を自分で生きて行く、という意味でのパワーだ。
大手企業に勤めてます、とかそういうのは関係ない。

自分は誰で、何をしてて、これからはこうしていきます、という自己と方向性を確立している人間が持つパワーだ。

ボクが移動手段がなくて、受け身100%でホテルと仕事に向かう送迎のバンの中でツマラン街だとかブツクサほざいていた時と言うのは、この街の大きな魅力に気が付いていなかったのだ。

また刺激を貰いに来るぞロサンジェルス!
そして、気づきをくれてありがとう。

カラッと乾燥した空気の中で飲んだコクの無いバドワイザーは最高の味だった。





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