Koy's blog

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2015年5月20日水曜日

ホノルルトライアスロン。めでたく完走!

この「諦める」ってやつはな、一度やっちまうと厄介な癖になっちまうんだ。

This quitting thing, it's a hard habit to break once you start.


by 映画「がんばれ!ベアーズ」の偉大なる飲んだくれコーチ モーリス・バターメイカー




快晴のホノルルはアラモアナビーチで開催されたトライアスロン。

初挑戦だった。
そして、めでたく完走した。

めちゃめちゃ気持ち良く、そして楽しかった。
苦しいのに楽しい、という経験は今までの人生で経験した事が無い。

最高の気分だった。

タイ式マッサージの痛いけど気持ちイイ、とか言うのとも違う。


とにかく、最後の1マイル、1キロ、これは苦しかった。

前を走る女性のトライアスリートに懸命で引っ付いていった。


彼女の後頭部と背中とお尻が、今でも目に焼き付いている。

最後に追い上げて抜かしてしまおう、とか考えた。
しかし、彼女も最後はペースを上げた。
抜けなかった。

名前も知らない彼女。

顔すら見れなかったけど、僕を引っ張ってくれた彼女に感謝したい。

きっと美人に違いない。
トライアスリートの女性はみな美しいのだ。

今回の参戦で明確に理解した事がある。


それは、「敵は常に自分の中にいる」ということだ。


最初のスイム。

時間が来てスタートエリアに集まった。
人種はバラバラだけど、同じように完走を目指して集まった連中だ。

記録を狙ってる連中もいるだろう。

みんな凄い実力者に見える。

僕は緊張していたが、先にスタートした人達を見ていたら何故か落ち着いて来た。


もう、なるようにしかならない。

とにかく完走すればいい。
そんな心地で一緒にスタートを待つ周りの男どもを見ていた。

彼らとバトルしてレースで競争するのだと思っていた。
敵だと思っていた。


それは完全に間違った考えだった。


トライアスロンというレースは、最初から最後まで「自分との闘い」なのだと、泳ぎ始めた瞬間に理解した。

レースは当然だが一瞬では終わらない。
結構な長丁場だ。

その間、ほぼ無言で泳ぎ、漕ぎ、走る。
無言という事は、いやでも自分と対話する事になる。

もちろん大会に出場する以上、僕の中に「どこかでツラかったらリタイヤしよう」というオプションは無かった。


とにかく前に進み続けるのだ。

それしかない。

それでも、「なんでツラい事をやってるんだ?」「手を抜けよ」みたいな悪魔の声は常に自分の中に存在していたように思う。


僕はとにかく、その声の主をやっつけたかった。

きっと手を抜いて歩いたって誰も文句を言う人はこの神聖な競技会場にはいない。

むしろ、足がつったのかな?オイオイ大丈夫か?と心配してくれるだろう。


僕は、この際自分の中のヘタレな悪魔の声、真の敵をコテンパンにやっつけてしまおうと決めた。

その時、僕の最大の支援者は、同じレースで同じように自分と戦っている仲間と競技者達だと気が付いたのだ。

懸命に前を向いて進もうとしている他の競技者の姿を見て、僕は感動に近い感覚に包まれた。


彼らを見ていたら、自分が前に出るパワーを貰えたのだ。

もしかしたら、僕の姿も誰かにパワーを与えたかも知れない。

心拍数があがり、スイムの腕が上がらなくなって来そうになっても、僕は彼らから与えられたパワーのおかげで多幸感に包まれていた。

最も苦手だったスイムが終わり、バイクに乗った。

楽し過ぎた。


大会の為に通行止めになったアラモアナブルバードを飛ばす。
楽し過ぎて歌を歌いそうになった。

それはかなりクレイジー過ぎるアイデアだと思い直した。

それでも気が付いたら、やっぱりヴァン・ヘイレンのジャンプを口ずさんでしまっていたのだ。

名曲だ。

最後のランはキツかった。
バイクで歌を歌うほど調子に乗ったので、足が思うように上がらない。

レース前に何人もの仲間から注意されていた点だ。

とにかく、前に進もう。

数カ所の給水所で、水とゲータレードをがぶ飲みし過ぎて腹がチャポンチャポンといっている。
両足のふくらはぎがツリそうな感覚がある。

むむむ、超ツラい。

そんな時は、どこまでも蒼いアラモアナビーチを見るんだ!
最高にシアワセじゃないか!
何なの、この感覚?!

絶対に止まるのはヤメよう。
そう心に誓った。

僕が自分の中の敵に勝った瞬間だった。



この写真を撮ったコーチの「スゴいスゴい!あと1キロだよ」の声に心底救われた。
感謝!


とかなんとか葛藤に打ち勝ちながらもヘロヘロで走っていた。
その時、僕の横をさっと抜き去る女性ランナーがいた。
それが前述の選手だった。

何となく、彼女のペースは僕の走りと相性が良いように直感した。
「よっしゃ」と、僕は彼女についていく事に決めた。



ゴール直前。前の選手に必死で付いていった。


参加しているトライアスリートは、敵ではない。
むしろ、お前を引っ張ってくれる同士なのだ。
そう確信したのだった。

人は一人では生きてはいけない。

人生と言う競技の最大の敵は自分自身の中に存在している。
それに打ち勝つには、仲間が、共に競技に参加する仲間が必要なのだ。


そういう事を実感出来たのが、今回の初チャレンジの最大の収穫だった。

世界中の皆がトライアスロンをすれば、世界は平和になるんじゃないか、みたいなことまで考えてしまった。

大会後の打ち上げパーティで先輩に言われた。
「これで、お前もトライアスリートだな!」

それに恥じないように、これからもトレーニングを続けよう。

自分に内在する敵に打ち勝つ事。
それは間違いなく快楽だ。

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