Koy's blog

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2015年1月11日日曜日

十二指腸潰瘍くらいで死んでたまるか!胃痛でお困りの皆さん、ピロリ菌駆除はお早めに!

夏目漱石の死因は「消化性潰瘍」だった。
胃潰瘍と十二指腸潰瘍をひっくるめてそう言うらしい。

僕が最初に十二指腸潰瘍だと診断されたのは、30歳になったばかりの夏だった。
激しい胃痛で目が覚める、という日が数日続き、ランチも取れないような激務の午後の会議では必ず激しい胃痛に悩まされていた。
それでも、勤務後の連夜に及ぶ大酒食らいの飲み会で、嘘の様に胃痛は消えていたので放っておいた。

それでもあの夏の日、朝からの胃痛はのたうち回る程のもので、会社と同じビルに入っているクリニックに転がり込んだのでした。

診察後、再検査が必要ということになり、別日に胃カメラをすることになった。


人生初の胃カメラだったが、担当してくれたナースがギャルだったので、ここで彼女と合コンの約束を取り付けたらオレはヒーローだとか思っていたら、かなり気が紛れたりしていた。
彼女に対してしゃべる自分の声もどことなく低音が響くようにしたりしてしまった。

ただ、実際に胃カメラを喉から食道につっこまれ、よだれをダラダラ出しながら、自らの胃の中をモニターで見るという生まれて初めての経験をしていたら、ギャルナースとの合コンなどということは忘れた。

めちゃめちゃに苦しいのと、初めて見る自分の内臓の綺麗なピンク色に感動してしまい、ひたすら目から涙を流していた。

診断結果は「十二指腸潰瘍」。

「しゅ、手術するんですか?!」と聞く間もなく、「もう、ほとんど治癒してるんで、薬で治しましょ」というクールなドクターの声に安堵しながらオフィスに戻った。ギャルナースはいつの間にか目の前から消えていた。

それから僕は10年以上も十二指腸潰瘍と付き合う事になった。

大体、春先や夏の終わり、冬の始めといった季節の変わり目に必ず痛くなる。
特に、朝の起き抜けがたまらない。
激痛だ。

それでも、牛乳を流し込んだりすると治まるので、なんとかなっていた。
それでも酷いときは、壁に手をついて、涼しい日でも冷や汗というか脂汗をダラダラ流すような苦痛に襲われるときも多かった。

薬局に駆け込んで、ガスター10を何回購入したか分からない。
何とかごまかしながら、それでも治まるとその苦しみはとっとと忘れてしまう。

それでも、その時はやってきた。

胃痛はほぼ10日以上続いていた。
そして、血便が出ていた。

僕はそれを前の日に飲み過ぎた赤ワインのせいだと思っていた。
たまにビーツの生ジュースを飲むとよくそうなっていたので、そのせいかもしれないとも思っていた。

心底、底抜けにバカだった。

朝から、顔の血の気が引いていたのを、僕は二日酔いだと思い、酒を抜く為にサウナにも入ったりした。
その日は、自宅でのクリスマスパーティーがあって、僕はホストだったのだ。
チキンを都合3羽も焼かなくてはならない、重要な責務を負っていたのだった。

無理だった。
唇は黄色くなり、ベッドから一歩も動けなくなった。
せっかく集まってくれた友人達をホスト抜きで乾杯させる羽目になった。

深夜。
皆が帰った後、激しい尿意を感じた僕は、ベッドからずり落ちて、這いつくばいながら、トイレへと向かった。
人間が不思議なのか、僕が底抜けにバカなのか、そういう非常事態でも、それが非常事態だという感覚がなかった。
ただ、オシッコがしたかっただけなのだ。

トイレに辿り着いた僕は、そこで激しい下血とともに気を失い文字通り倒れた。
遠いどこかで、後片付けをしていた妻の悲鳴が聞こえて来たが、どうすることも出来ない。
下半身が熱くなっているのは、きっと何かが漏れているのだ。

そこからは時間の感覚はない。
救急隊員の声、担ぎ出されている自分、救急車のサイレン、ストレッチャーの乗せられて外に出されたヒヤリとした空気の感覚、明るい緊急治療室、ドクターとナースのマスク、彼らの声。

「あなたね、重篤よ。もうね、輸血するから。奥さんにね、承諾もらうからね」

僕はまた気を失った。

後に、僕はドクターに聞いた。
「あの時、僕は死ぬ可能性があったんですか?」


「危なかったですね、回復して良かったです。」
とか言ってくれたような気がする。

もし倒れたのが、自宅ではなくてどこか別の場所だったら。
僕は酔うと何処からでも歩いて帰る癖があるので、どこか住宅街の人通りのない道路の片隅で息絶えていた、みたいのことがあっても不思議ではない。

10年以上もほったらかしにしていた十二指腸潰瘍の根本的な原因はピロリ菌の存在だった。

その後の入院による絶食による胃粘膜の回復とピロリ菌の駆除成功によって完全治癒させる事が出来た。

憎きピロリ菌。こいつを徹底駆除しなくてはダメだ。武田薬品のHPより。


日本人の40代以上の多くは潜在的にピロリ菌の保持者だと言われている。
下水道が完備されていない時代に幼少期を過ごした人は、要注意らしい。

要は、小学生の頃、町中にバキュームカーが我が物顔で走っていた思い出がある人はピロリ菌に侵されている可能性があるということだ。

僕の場合は、不摂生とストレスが強烈なカクテルとなって、ピロリ菌を活性化させてしまっていたらしい。

ピロリ菌さえ駆除に成功すれば、潰瘍から癌になるようなリスクも軽減できる。

僕は、以来3年以上が経つけれど、一度も胃痛に悩まされた事が無い。

もし、慢性の胃痛などに悩まされている人がいたら、すぐさまクリニックに行って欲しい。
そして、適切なピロリ菌駆除の処置を施していただきたい。

ピロリ菌を駆除しなくては、潰瘍の胃痛はずっとつきまとう。
胃痛から解放されることは歓びだし、何よりも僕の様にたかが胃痛、十二指腸潰瘍ごときで命を落としてしまいかもしれないリスクを回避出来るのだから。

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