Koy's blog

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2015年6月2日火曜日

過去を振り返る。それも数年じゃない。5万年だ!

現状に行き詰まりを感じたら、過去を振り返ろう。


数年前、とか言うチンケな話じゃない。

そう、5万年前だ!

5万年前に始まった、人類の偉大なる旅の物語に思いを馳せてみよう、というお話だ。


実は、二年前に飛行機の中で読もうと買った本を、こないだの日曜にやっとこさ読んだ。

二年前の機内で、ページをめくりながらビールを数杯飲んだ。

そして、あえなく撃沈されたのだ。

ヒトゲノムとか、ミトコンドリアとか、なんちゃら解析とかの言葉の前にバッチリ寝落ちしてしまった。。


機内で気楽に読むような本じゃなかった。


気が付いたら飛行機は着陸態勢に入っていた。
空気圧の変化で耳が痛くなって目が覚めた。

分厚いし、クラスターU5とかサン族とヘレト族の紛争とか対立遺伝子みたいな記述のオンパレードで、これは日本語なのか?みたいな感じだった。


なので、いっそのこと、処分してしまおうか考えていたのだ。

で、日曜日。
ランニング後の爽やかな気分に惑わされて気合いを入れて読んでみた。

これでダメなら、ブックオフ行きだ、とか考えていた。

結果、やはり面白かった。

専門的な言葉のほとんどは全て記憶にないので、どうか聞かないで欲しい。


記憶力のテストの為に読んだのではないのだ。

それでも充分過ぎる示唆をゲットすることが出来た。


今地球上にいる人類はたった一人の女性から始まった。


というのは誤解を招く。
たった一人では本当はない。

きっと彼女のミトコンドリアDNAが全ての現世人類の女性のDNAに記録されている、と言う方が正しいのだろう。

ミトコンドリアDNAは女性から女性へと継承される。
男ではない。


彼女をサイエンティスト業界では「ミトコンドリアイブ」と言う。

これは聞いた事がある人も多いかもしれない。ちょっと前にBBCかどこかがドキュメンタリーを作っていた。


約15万年ほど前にアフリカに実在した、この女性の話を聞いた時は、興奮した。

壮大過ぎる。
そして感動した。

国境を隔てた紛争に意味がない、と思えたからだ。


どうしても年間のフィーの契約書に難癖をつけてサインしようとしないクライアントに腹が立っても、落ち着く事が出来た。

争いごとなんてヤメようぜ。
そもそも、俺たちはイブの子じゃないか!
さぁ、兄弟、サインしておくれ!


カップヌードルが前にやったキャンペーン「No ボーダー」のコンセプトは正しいのだと実感した。


世界中にいる70億人近い人類共通のお母さんがこのアフリカにいた「イブママ」だったのだ。 

場末のスナックみたいだ。

そうだ、「イブ母さん」と呼ぼう。 

女性のみに受け継がれるミトコンドリアDNAをトラックするとたった一人の女性に行き着く。


なんと壮大でロマンのある話だろう。

ところで、何度も挫折したこの本は、その話からさらに時を経て、人類が偉大なる旅を始めた5万年前のストーリーだ。



ミトコンドリアイブの本はまた別(下のやつ)。そっちは超読みやすい。お薦め。




その旅のメンバーはたった150人だった。


現生人類共通の先祖だ。

何世代もかけて、グレートジャーニーは続く。


幾多の試練を経て、時には絶滅の危機を乗り越えて、一部の人類は、日本に到着したのだ。


もちろん、僕ら日本人の偉大なる祖先だ。

そういう視点で考えれば、

グラビアアイドルも、
満員の地下鉄で臭い息を吹きかけてくるような二日酔いのオッサンも、
誰も彼もが「イブ母さん」で繋がったファミリーなのだ。

歴史の中では特定の民族や宗教にジェノサイドを行った最悪な独裁者が何人もいたが、彼らにこういうべきだ。
「イブ母さんが天国で泣いているぞ!!」と。


とは言え、今でも民族間での争いは絶えない。


「人類皆兄弟。愛が地球を救う」みたいにイノセントな感じには僕はなれそうもない。

飢餓以外でも、そういう宗教上の対立、紛争や戦争みたいな血で血を洗うバイオレンスで淘汰されて来たのも人類の歴史だということにも気が付く。

良い悪いではなくて、事実だ。
この切実なイシューについては別の機会に譲ろう。


一方、そんな大それた話じゃなくて、日々の生活の中ではどうだろう?

やはり、毎日の日々の暮らしの中でも、様々な困難に打ち当たる。

無理難題を吹っかける顧客。
同じ人類とは思えないパワハラ上司。
仕事や私生活での悩み。


もし自分がその渦中にいて、ストレスを抱えてにっちもさっちも行かない状況なのだとしたら。

5万年前のグレートジャーニーに思いを馳せる事は、そこから抜け出すヒントを与えてくれるかもしれない。


自分が弱い人間だ、とか思ってしまったら、アフリカ大陸旅立ってからの5万年を思い起こしてみるべきだ。


ハンパ無く気が遠くなる時間が経っても途絶えなかった自分の中のDNAを思い出せばいい。


相当ハイパーでスーパーなサバイバル遺伝子を誰しもが持っているのだ。



少なくとも、今日までは淘汰されなかった強烈にパワフルな遺伝子だ。


それが、自分の中で息づいていることを実感して欲しい。



一方で、自分の存在は、人類の歴史以上に宇宙の歴史や広大さと比較したら、それこそミトコンドリア以下に小さい存在だ。

自分が抱えている問題なんて、さらにちっぽけだ。


だから、自分の今の現状も偉大なる旅の過程にあると想像してみよう。


実際に、そうなのだ。 

僕らは、まだまだ人類のグレートジャーニーの途中にいるのだ。


さらなる5万年の旅のスタートに僕らは今立っていることを実感してみよう。

自分の存在が奇跡に近いことを思い出してみるのだ。

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